女神転生バトルロワイヤルまとめ |
第0話 序章 |
光が差し込んだ。 ぼやけた視界が徐々にまとまり、頭が透き通っていく。 初めて自分が眠っていたのに気がついた。 「ここはどこなんだ!?」 「あたしなんでこんなところに・・・」 周りからザワザワと声が聞こえる。 大勢の声だ。 床に手を着いて起き上がる。 ふと、気がついた。 左手がいつもより軽い。 自分の左手にはあるはずのものが無かった。 「アームターミナル」 あの日、初めて悪魔が表れたあの日。 それ以降はほとんど肌身離さずにいた悪魔を召喚するコンピュータ。 それが無くなっている。 それだけではない、持っていた銃器も剣も薬も無くなっている。 今悪魔に襲われたらまずい。 まずその考えが浮かんだ。 ICBMが落ちて以来磨かれた危険対処能力。 それが自分を臨戦態勢にさせた。 辺りを見回す。 おかしい。 悪魔の気配を感じないことは幸いだが明らかにおかしいことがる。 いる人間の服装が統一されていない。 いまさら着る人もいなくなった旧世紀の遺物、学生服を着ている人間。 自分が生まれるずっと前に流行したらしい格好の人間さえいる。 周りには机や椅子散らばっている。 気がついた。 ここは学校の教室だ。 まだ平和だったころ自分も通っていたことが有るからわかる。 しかし今の世にこれだけ壊れていない学校なんてものがあるのだろうか? 「やぁ諸君」 そう思っていると、声が響いた。 声のするほうを見た、スピーカーだ。 それに反応して周りのざわつきがやんだ。 「いろいろ説明して欲しいこともあるだろうがまずは端的に言おう」 声はざわつきがやむのを予測していたかのように続ける。 「君たちにはこれから殺し合いをしてもらう」 声はそれがなんでもないことのように述べた。 周りのざわつきがいっせいに広がった。 「なに、ちょっとしたゲームだ。」 「そしてゲームにはルールがある・・・まずはそれの説明から始めよう」 声は淡々と続ける。 「ふざけるんじゃねぇ!」 突然、スピーカーとは違う方向から大声が響き渡る。 「突然こんなところにつれてきて・・・とっとともとの世界に戻しやがれ!!」 至極、もっともな意見だ。 しかし、スピーカーの声は意に介した様子も無い。 「ふむ・・・君のような直情型では生き残れまい、最低限一人は殺して見せねばと思っていたが君でいいだろう」 「なんだとてめぇ!」 声は完全に男を見下したようだ。 「まず、君たちの鎖骨の辺りを見て欲しい。黒っぽい刻印があるだろう」 服をまくってみる。多少見づらい位置ではあるが確かに黒い刻印があった。 「それは、呪いだ。私たちは君たちをいつでも殺すことができる・・・こんな風に・・・」 「ぐがぁ!?」 声がそういうと先ほどの男が苦しみだした。男の体に黒いものがどんどん広がっていく。 「ぐがががががががが!?」 黒いものが男の体を完全に包んだ。 「がっ!?」 次の瞬間、黒いものは消えた。 ドサリという音と男は倒れた。 自分も何度か見たことがある。間違いなくあれは呪殺の魔法・・・男は既に事切れていた・・・。 「うわぁあああああああああああああああああああああああ!!」 誰かが叫んだ。 それを皮切りに次々と叫び声が広がる。 「確認したね?我々に逆らおうなどとは思わないことだ・・・おっと、自分には呪いは効かないなんて思うなよ? それはそんなに生っちょろいものではない。刻印が有るということは既に呪いを受けているということだ。」 スピーカーの声は叫びを無視するかのように続けた。 「次に簡単なルール説明だ、詳しいルールは後で渡すルールブックを読んでくれ」 「諸君らの今いる場所はスマル市という場所だ、参加者の中にはこの町の出身者もいるだろう」 「さて・・・この世界はスマル市以外は存在しない。浮いているのだ、この町は」 「まぁ・・・ある種のパラレルワールドと思ってもらえばいい、因みに住民は人っ子一人いない」 「とはいえ、設備はある程度生きているので利用するのもありだろう」 「そして今いるここは七姉妹学園という学校だ・・・とは言ってもここから始まるわけではない」 「我々の魔法によって町のどこかに転送させてもらう、各人違う場所へだ」 「その際鞄をひとつ付ける、その中には食料とこの町の地図、ルールブックそして・・・武器と何らかのアイテムが入っている」 「食料などは全員同じだが武器とアイテムは完全にランダムだ、役に立つものか、いくつ入っているかもな」 「さて・・・こんなところか?・・・そうそう、ひとつ忘れていた」 「町には悪魔が出現する場所がある」 「近寄らないか?あるいは逆にそこに避難するか?そうでなければ・・・彼らに協力を求めるか?・・・それは君たちの勝手だ」 「では、健闘を祈る」 スピーカーからブツッという音が聞こえた、マイクをきったのだろう。 周りには叫ぶもの、取り乱すもの、落ち着いているもの・・・さまざまな人々がいた。 数秒後、視界が歪んだ。 ターミナルの転送に似ている。 転送の途中、声が聞こえてきた。 「君がどちらに傾くか・・・期待しているよ、ザ・ヒーロー・・・」 |
***** 女神転生バトルロワイヤル ***** |