女神転生バトルロワイヤルまとめ
第30話 放送

多くの魂を混沌へと導いた闇は薄れ、新たな時を告げる太陽が昇った。
決して希望をもたらす光ではなく、
生贄を貪欲に求め、絶望を与える光を引きつれ、その刻は来た。

突然、天の光は眩いばかりに地を覆う。
――変異。
地上にある全ての音が掻き消え、
空間が変わったかのような錯覚。
人も悪魔も等しく受ける幻覚と眩暈。
それらは一つの声となり、あらゆる者たちへと響き渡った。


「諸君、夜の闇は去った。定刻である。」
天より、全ての者たちに威圧感を与える声。

「我が元へ参った魂の名を告げる。
 名は一度しか言わぬ。心して聴くがよい。

「新田勇」「反谷孝志」「リサ・シルバーマン」
「秦野久美子」「園村麻希」「上田知香」
「サトミタダシ」「高尾祐子」「白川由美」
「フトミミ」「ヒロコ」

 以上、11名だ。」

ある者は絶望に打ちひしがれ錯乱し、
ある者は名の呼ばれない者との再会を心に誓い、
ある者は次の生贄を探し、
ある者は魂の救済を求めていた。
だが、何も変わらぬ調子で声は告げる。

「なお、この後定刻の度『変異の刻』を迎え、悪魔は力を増すだろう。
 力強き悪魔は、力弱き悪魔へ牙を剥き、絶対数は減るだろうが
 御主らの命はどれほどのものか――楽しみである。」
閉鎖された大地に存在する命の全てへ向けて声は、笑った。
その言葉に、悲嘆に暮れる者たちへ突き放すように続ける。

「死者の中には死してなお、生を求める者がおる。
 その者の名は告げぬ。
 逃げ惑え。互いに疑うがいい。
 隣に立つ者が、裏切り、殺し、偽りの生を与えるものやもしれぬと。

 迷える魂たちよ。生への執着が御主らを追い詰めるであろう。
 死者の数はまだ少ない。精々殺しあうがいい―――。」


空間の歪んだ空気が消えていく。
光を満たした天は、元来の姿へ戻していく。
大地は音を取り戻す。
新たな死者の魂を呑み込む為に用意された朝が訪れた。



【悪魔の強さが強化されました。
 今後、「日の出」「日の入り」放送後、強化されていきますが個体数は減少します。】

***** 女神転生バトルロワイヤル *****
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