「さて集めるもんも集めたし…銃が欲しいな。
サバイバルゲームショップか…ちょっと行ってみるか」
荒れに荒れた春日山高校の中で地図を眺め、今後の予定を決めるアキラ。
「銃?なんだそれは?」
「…ん?銃もしらねぇのか?」
手で銃のような形を作り、リックに近寄る。
「こんな形の奴でな、引鉄を引くと弾丸が瞬速で放たれる武器…ってところか。
悪魔との戦いに使うんだよ、麻痺させたりできる弾まで有るからな」
感銘したような様子を見せるリック、それもそのはずリックの居る魔界では銃は存在しないから。
「ピースメーカーだとかメギドファイヤっつーのがあればこいつぐらい強いんだがな…。
そんな支給品引き当てたらそいつは間違いなく最強だろうな」
ヒノカグヅチを片手に持ちながらアキラが言う。
LAWとCHAOS、両端に存在する究極の銃。
その銃は弾を必要とせず、絶大的な破壊力を持つという。
学校探索に時間をかけていた二人は学校を出てすぐ聞くことになった。
主催者を名乗る者の、忌まわしき放送を。
「ユミの野郎が死んだか…ハザマの野郎はくたばってないか」
ユミと交流があったわけではないが、それよりも重要なのはハザマの名前が呼ばれなかったこと。
魔神皇の力を振り回して殺戮を広げている、一刻も早くブチのめさなければ…。
「ナカジマってヤツは呼ばれなかったな…」
「ああ、幸いにな。彼のことだから仲間と仲魔を作って生き残っているに違いない。
ルシファーと1対1でもしない限り彼がやられると言うことは無いだろう」
二人とも知らない、そのナカジマが殺戮を繰り広げている事など。
「さて…もうちょっと武器が欲しいところだが」
マッチョの死体を蹴り飛ばしながら浩次は地図を見る。
「サバイバルゲームショップねぇ…まぁ弱いけど銃は手に入れたしな。
悪魔も強くなったみたいだから仲間にしにいった方が良いか…」
マッチョの支給品、クラップK・Kを回しながら地図を片手に思考する。
「よし、じゃあもう一回あの学校に戻るとするか」
悪魔は再び学校を目指した。
「動くな」
銃を突きつけている人物はアキラとリックに言い放った。
「敵意があるならこの引鉄を引く、無いなら武器を地面に置いてくれ」
普段のアキラなら突っ込んで行くが、今回は状況が違う。
突きつけられている銃、さっきまでリックと話していた銃。CHAOSの究極の銃、ピースメーカー。
相手はその上気配で分かるほどの使い手、ほぼ単体では幾らヒノカグヅチが在っても勝ち目は無い。
足元にヒノカグヅチを放り投げるアキラ。
「敵意は無いか…僕は葛葉キョウジ。君は?」
「…宮本明、こっちがリックだ」
銃を下ろした相手に軽く自己紹介を済ませるアキラ。
ヒノカグヅチを拾う隙がない、いや拾わせてくれない。
未だにキョウジの右腕に握られた銃は、下を向いているとは言えアキラ達を狙っているからだ。
「ゲームが始まってから誰にも会えなくてね…どうだい?君は。
僕はこのゲームを壊して脱出しようとしてる、協力してくれないか?」
そこまで言い終えたところでやっと銃の警戒が解かれる、完全にアキラを安全と認めた様子だった。
「ああ…いずれはな、でもその前にやっておかなきゃならねぇ事がある」
名簿を差し出し、ハザマのページを見せ付けるアキラ。
「こいつだ、魔神皇って名乗ってて…一口に言っちまえば超危険なヤツだ
…こいつを、ぶっ殺す」
「悪いがそうは行かないな」
キョウジではない、第三の声。
同時に飛んでくる一発の銃弾、それはアキラの頭部を目掛けて一直線に。
「危ない!」
避けられないと悟ると同時に体が傾く。
飛び込んでくるリック、標的のほうへ銃を構え振り返るキョウジ。
自分を突き飛ばすリックの腕と、キョウジの肩を掠り、リックの頭を貫通していく弾丸と。それだけが視界に入って。
「一体デストロイ完了、一体は麻痺か…」
たった一発、されど一発。リックの頭部を突き抜けてた銃弾は
「…ハザマを殺されると俺が脱出できなくなるんでね。
そういう危険因子はデストロイさせて貰うぜ」
キョウジの後ろから現れ、ガンマンっぽく銃に息を吹きかける。
銃を腰へ仕舞うと、地を蹴り夢想正宗を片手に近寄って来る浩次。
キョウジは動かない、動けない。
(最悪だな、神経弾で麻痺するなんてな…)
近寄ってくる浩次、動かないアキラ、動けないキョウジ。
浩次がキョウジに近づき、夢想正宗を振り下ろし…きれなかった。
そこにいたのはアキラ。右手に…浩次の夢想正宗。
「なん…だと?」
当然の如く驚愕する浩次、しかし驚いた理由は攻撃を受け止められたことではなく。
アキラが素手で夢想正宗を掴んでいる事。右腕から赤い液体が流れ出ているというのに夢想正宗に掛かる力は弱まらない。
「神代…浩次とか言ったか?まさかテメェがこんな腐った野郎だとは思わなかったな」
アキラが下を向いたまま浩次に言う。浩次は刀を引き戻そうとするが、まったく微動だにしない。
「安心しな、俺ァもうブチぎれるとかそういうレベルじゃねぇ。
てめぇは超えちゃいけねぇラインを超えちまったな」
左腕で浩次の右頬に強烈なフックを仕掛ける、勢い良く吹っ飛ぶ浩次。
「てめぇは死ぬまでぶっ殺す」
史上最大の学生の「ケンカ」が、今始まる。
<時刻:午前7時>
【宮本明(真・女神転生if...) 】
状態:右手損傷
装備:ヒノカグヅチ(少し重い)、鍋の蓋、髑髏の稽古着
道具:包丁*3、アルコールランプ、マッチ*2ケース、様々な化学薬品、薬箱一式
第一行動方針:神代の殺害
基本行動方針:ハザマの殺害、たまきと合流しゲームの脱出
備考:肉体のみ悪魔人間になる前
【葛葉キョウジ(真・女神転生 デビルサマナー) 】
状態:麻痺
装備:ピースメーカー
道具:なし
基本行動方針:レイと合流、ゲームの脱出
備考:中身はキョウジではなくデビサマ主人公です。
【神代浩次(真・女神転生if、主人公)】
状態:実に健康
武器:夢想正宗 アサセミナイフ×2
防具:スターグローブ(電撃吸収) レザーブーツ 明光鎧(電撃弱点、衝撃吸収)
道具:メリケンサック型COMP 魔石4つ 傷薬2つ ディスポイズン2つ 閃光の石版 MAG1716
仲間:ニギミタマ ノッカー コボルト
現在地:平坂区
行動方針:レイコの回収、ハザマの探索、デストロイ
【現在地:平坂区】
【リック 死亡】 |